註1
「1試合1勝の原則」によれば、引き分けは、「勝ったら1勝」と決めた時点で0.5勝 と決まるもののようであり、ルールで引き分けの取り扱い方を決めるというものではない ようだ。確かに引き分けに0.5勝の価値を認めることは非常に合理的なようである。そ れにしては、あとでプロ野球のルールにも触れるが、プロサッカーにしろプロ野球にしろ 引分けの取り扱い方をかってにルールで決めているようだ。そこで一番の問題は、そのル ールでの優勝チームと、「1試合1勝の原則」に則ったルールで評価した優勝チームが異 なる場合が起こりうるということである。
 Jリーグの順位ルールの問題点は引き分けの取り扱いだけではないが、次のような事例 がある。2001年度のJ2の年間成績を表2の勝ち点で再集計すると、1位と2位が入 れ代わるのである。それに対し優勝できなかったチームは、なんらクレームをつけなかっ たが、もしそのチームが「1試合1勝の原則」を振りかざして、引分けの勝ち点は1.5 点が正当だと主張したら、どうなるのだろう。「1試合1勝の原則」に対抗できる理由付 けはできるのだろうか。

すいません。ここで著作権を無視して他の人のWSを引用させていただきます。

『引き分けの場合に勝ち点を分け合う方式だと、リーグ戦での試合が消極的になってしま うからです。
仮に自分たちが引き分けて、他の試合で勝ったチームがあっても獲得する勝ち点の差の 開きが引き分け1試合分にしかならないなら、リスクを犯して勝ちに行くよりも安全に引 き分けた方がお得だということになり、リーグ全体にそんな考え方が蔓延してしまうと試 合が本当に面白くなくなるんです。

(すいません。「引き分けでいいや」って気持ちになることが私には全く理解できないん だけど。サッカーの試合って優勝を争うもんじゃないの?引き分けていたら決して 優勝できないんだけど)

事実、勝利チームの勝ち点が2だった時代のワールドカップは引き分け狙いの消極的な 試合が横行していたようです。

(当時のワールドカッブは優勝を争うものでなく、順位を決める試合だったのね。それ だったら確かに、サッカーチームが沢山あったら、勝っても引き分けても順位はあまり変 わらないから、「引き分けでもいいや」という気持ちになっちゃいますね。元々引き分け 試合が多くなるルールなんだろうから。
また、得られる報酬も順位によってあまり差がなかったんでしょうね。知りませんが。
−−だったら、順位によって報酬に格段の差をつけたら良いだけじやないの?−−
どうもこの人の説明ではよくわからないんですが、おそらく「サッカーは、なかなか 点数が入りにくいルールなんで、勝とうという意欲が削がれる」っていうただそれだけの 問題なんじゃないかと思う。)

この問題を解決する為に、勝利チームの勝ち点を3とし、勝利に絶対の重きを置くこと にしました。
これだと、引き分けと勝ちの差は引き分け2試合分となり、この差を埋めるためにはど うしても勝ちに行くしかなくなります。
負けは絶望を意味し、引き分けも危険。となれば勝利こそが絶対の安全圏となり、嫌で もアグレッシブな試合になるので、見ている側も楽しいですね。』

(で、どれだけ引き分け試合が少なくなったの?
プロ野球の引き分け試合数が約1割なのに、プロサッカーの引き分け試合数が約2.5割 (即ち4回に1回引き分け)なんで、現在でも引き分け試合が多すぎるという印象なんだけど)

でも、これは全くナンセンス。
こんな変な点数ルールを作っても、サッカーは、得点が入りにくく引き分け試合が多すぎ る。にも拘わらず、こんな変なルールを作る前は、もっとずっと引き分けの試合が多かった っていうの?サッカーのルールとは全く信じられないルールだ。

多くの競技が、ルールを変更して引き分け試合を少なくしようと努力しているのに、サッ カーにはその努力が全く見られない。
「リスクを犯して勝ちに行くよりも安全に引き分けた方がお得だ」って、試合態度に勝と うという意欲がみられなかったら、試合にならないので、その時点でそのチームの大会参 加を取り消さなければならない(そんなの当たり前でしょ)。こんなとんでもな いルールが生まれたのは、一に関係者が頭を使って来なかったからである。

オリンピックのレスリングの試合で、フォール勝ち(負け)しなかったから引き分けにな ったという例を私は知りません。また柔道では、「一本」以外に、「技あり」などを設け てますが、ありゃあ引き分けをなくしているようなもんでしょう。これらの例のように頭 を使えば引き分けはなくせるんです。

引き分けを少なくしたいなら、例えば次のようにしたらどうだろう。
レッドカードが出されたら、相手に得点。イエローカードは、選手に関係なく、チームに 2枚で相手に得点。
ゴールキーパーにブロックされたシュート・ゴール枠に当たって手前に戻ってきちゃった シュート・コーナーキックなどは、種類に関係なく トータル5回で得点など、延長戦や PK戦をやらなくても、頭を使えば色々な方法が考えられるでしょう。
(これらのことが得点に影響するとなれば、それに対応した戦術をとることになるんです)
なお、ルールを大胆に改造するなら、選手の人数を減らす・ピッチを小さくする・ゴール の形や大きさを変えるなんて考え方もあるけどね。
その他素人の私が考えたって、引き分けを少なくする方法なんて、考えれば無限にあるで しょう。

後日談
2018年ワールドカップの対ポーランド戦における日本チームの試合態度はひどかつた。 勝ち3点、引き分け1点にしたからアグレッシブな試合になっているはずなんですが、全く ノンアグレッシブな試合態度でした。
勝とうとする意欲の見られない(つまり試合が成立しない)あんな態度がゆるされるルール のスポーツはサッカー以外に無いでしょう。
サッカー以外であんな態度をとったら八百長試合と取られかねません。 そこまででなくとも、レスリングや柔道なら「警告」や「指導」の対象で、勝敗に不利になります。 サッカーもこのルールを取り入れなければりません。得点のつけ方で改善できる問題ではないんです。 そんなの当たり前でしょ。
韓国の元選手が言ってました。「攻撃を1分間しなければファウルになる規則をつくら なければいけない。」これもっともです。

私がテレビを見ていたら、ファンの一人が「こんな試合は子供には見せられない」と言い、 試合を観戦した日本の子供が「(日本の選手が)ゴールしようとしてない最後がいやだった」 と言っていたのが印象的でした。

高校野球の選手宣誓「スポーツマンシップに則り正々堂々と戦うことを誓います」
しかし、上記の日本チームの森保一監督は次のように思ったでしょう。「スポーツマンシップ なんか「屁」を喰らえ。それより日本がベスト16に進めれば、私のやりかたが正しかったと 日本国民は認めてくれるだろう」
(結果は・・・試合途中で日本の選手が攻撃するのを止め守備に徹したので、相手に得点 されることがなくなって0−1のままで終わり、その結果として、ベスト16に進むこと ができました。そして後年には、森保一氏は日本チームの監督になりました。ぐえっ これが日本サッカー界の良識です)
ところで、もし日本がベスト16に進めなかったら、森保一監督のあのやり方の評価は どうなったでしょう?ベスト16に進めたか進めなかったかで、監督のあのやり方の評価が 変わったらおかしくない?

ところで、テレビを見ていて、こんなとんでもない試合態度が許されるルールを問題にし たサッカー関係者は一人もおりませんでした。この「一人もいなかった」ことが私には 全く信じられません。せめて二宮清純氏の意見が聞きたかったですね。


註2
以下、プロ野球のルールについては、引分けがある場合についてのみ考察する。「引分け 再試合」などで最終的に引分けがなくなるような順位ルールについては、勝率で順位を決 めようが、勝ち数で順位を決めようが、それらは着目する対象が違うだけで本質的には同 義、つまり両者で順位が異なることがないので問題はない。
以下で明らかにしてゆくが、ブロ野球の順位ルールの課題は、引分けの取り扱い方にある 。引分けが無い場合の勝率計算式は、
勝率=勝ち数/試合数・・・(1)
であるが、引分けがあった場合、この勝率計算式に引分けをどう反映させるかが問題であ る。


註3
引分けが無い場合の勝率計算式
勝率=勝ち数/試合数・・・(1)
に対し、表4の場合は引分けも0.5勝として勝ち数に加える必要があるので2式
  勝率=(勝ち数+0.5×引分け数)/試合数・・・(2)
のような勝率計算式となる。勝ち数+0.5×引分け数 を勝ち数と呼ぶのに抵抗がある ならJリーグ同様勝ち点と呼べばよい。


註4
しかし3式
  勝率=勝ち数/(試合数−引分け数)・・・(3)
にはあいかわらず引分け数が変数として残っているので、あろうことか勝率が引分け数に 影響されるのである。公式戦1シーズンの試合数を140試合(これ以降も140試合と する)として、3式で「1勝残り全て引分け」、「1敗残り全て引分け」、「全試合引分 け」の勝率を計算してみると面白い。
・1勝残り全て引分け:勝率=1/(140−139)=1/1=1
          1勝しかしていなくても勝率10割である。
・1敗残り全て引分け:勝率=0/(140−139)=0/1=0
          1敗しかしていないのに勝率0割である。
・全試合引分け   :勝率=0/(140−140)=0/0
          学校で習ったように分母が0では計算不能。全試合に参加し
          たにもかかわらず、1試合も参加しなかったとみなされる。


註5
勝率と勝ち数とが比例するとは、勝率と勝ち数との比(勝率/勝ち数)が一定の場合 のことである。
そして、(勝率/勝ち数)の値のことを「比例定数」という。
数学的には、Y/X=a、すなわちY=aX(aは定数)という関係が成り立つ時のaのことを「比例 定数」という。

ここで、3式
  勝率=勝ち数/(試合数−引分け数)・・・(3)
の両辺を勝ち数で割ると、
勝率/勝ち数=1/(試合数−引分け数)=1/(140−引分け数)
となる。ここで勝率/勝ち数、すなわち 1/(140−引分け数) の値は、各チーム の引分け数が異なったのでは一定しない。これでは勝率と勝ち数が比例しないことになる 。なお引分けのないルールか、引分けのあるルールでも全チームの引分け数が同じなら  1/(140−引分け数) の値が一定になるので勝率と勝ち数が比例することになる。

 では「1試合1勝の原則」に則った2式
  勝率=(勝ち数+0.5×引分け数)/試合数・・・(2)
の場合はどうなるか。2式の両辺を勝ち点(=勝ち数+0.5×引分け数)で割ると勝率 と勝ち点の比は、
勝率/勝ち点=1/試合数
となる。ここで全試合終了後はどのチームも試合数が140で一致するので(1/試合数 )は一定の値(1/140)となる。従って2式の場合は勝率と勝ち点が比例することと なる。


註6
勝ち数順位と勝率順位とが逆転する例
   80勝58敗2分け(計140試合)のチームの成績:勝ち数80、勝率0. 580
   78勝56敗6分け(計140試合)のチームの成績:勝ち数78、勝率0. 582


註7
勝率=勝ち数/試合数・・・(1)
勝率=(勝ち数+0.5×引分け数)/試合数・・・(2)
勝率=(勝ち数+0×引き分け数)/試合数・・・(5)
などを見ると、勝率計算式とは一般に試合数を分母として次のように 表せるようである。
勝率=(1×勝ち数+r×引分け数+0×負け数)/試合数・・・(6)
勝率=(1×勝ち数+r×引分け数+0×負け数)/(1×勝ち数+1×引分け数+ 1×負け数)・・・(6’)
・・・ *ここでrは0、0.5などの定数である。
これらの勝率計算式から見て、勝率制の勝率計算式3式
勝率=勝ち数/(試合数−引分け数)・・・(3)
      すなわち
勝率=勝ち数/(勝ち数+負け数)・・・(3’)
と、その変形である4式
勝率=(勝ち数+勝率×引分け数)/試合数・・・(4)
だけがチンプンカンプンなのである。そうして6式のrは0.5が正しいのである。
勝率=(1×勝ち数+r×引分け数+0×負け数)/試合数・・・(6)
ところがJリーグとプロ野球はrの扱いを間違えた。Jリーグではr=1/3(下記7式 参照)とし、従来のプロ野球の勝率制ではr=勝率とし、更に2001年度のセリーグの 勝ち数制ではr=0とした。
プロ野球の勝率制のr=勝率とは、次の3’式と6’式を比較するとわかるのだが、 6’式の分子の引分け数の係数rを0とし、さらに分母の引分け数の係数まで0にした結 果である。(そうすると3’式が出来上がる)
勝率=勝ち数/(勝ち数+負け数)・・・(3’)
勝率=(1×勝ち数+r×引分け数+0×負け数)/(1×勝ち数+1×引分け数+1× 負け数)・・・(6’)

なおJリーグの順位表には勝ち点合計は記載されていても勝率は記載されていなかったよ うである。その勝率計算式を表1を基にして作成すると次のようになる。
勝率=1/3×(3×90分勝ち数+2×延長戦勝ち数+1×引分け数)/試合数・ ・・(7)
注8で関連したことを述べるが、Jリーグが勝率で順位を表示しないのは、シーズン中チ ーム間で消化した試合数の異なることがないからだろう。


註8
−2001年度のセリーグルール考察−
2001年度のセリーグのルールには筆者も面食らったが、ここまでの解析結果からそれ がなんとも傑作なルールであることが分かった。

1)まず基本は「勝ち数の多いチームを上位とする」という勝ち数順位制であるが、「但 し、勝ち数が同じ場合は勝率の高いチームを上位とする」という但し書きがある。つまり 勝ち数順位に勝率順位を併用しているのである。これを今までの解析結果から言い換える と次のようになる。「引分けを負けとして計算した勝率が同じ場合は、引分けを勝率とし て計算した勝率の高いチームを上位とする」???

2)また「但し、勝ち数首位のチームと勝率首位のチームが異なる場合はプレーオフを実 施する。そして勝率首位のチームがプレーオフで負けても、勝ち数順位に関わらず2位と する」という但し書きがある。そうすると、1勝しかしていないチーム(残り全試合引分 けなら勝率は10割で勝率首位)でもプレーオフの対象になり得るわけである。そしてこ のチ−ムは勝ち数順位はまず最下位だろうが、プレーオフで勝てば優勝し、負けても2位 になれるのである???

3)順位表
 2001年度はルールが変ったので順位表の作成に困るだろうと考えたのか、セリーグ が順位表の作成方法を提示した。余計なお世話だと思うのだが。提示した内容は「勝ち数 の多いチームを上位に表示する」というものであった。勝ち数順位制を基本とするから一 見もっともらしいが、これには重大な欠陥がある。シーズンの途中経過で、それまでに消 化した試合数が多ければ多いほど、負け数とともに勝ち数も多くなるのが普通である。そ のため消化した試合数の多いチームほど順位表の上位に表示されやすくなる。ところでセ リーグには毎年試合数が先行するチームがある。このチームは負け数とともに勝ち数も多 くなるので、順位表の上位にくることになる。これでは正しい順位がわからなくなる。2 001年度はシーズン当初はよかったが、シーズンも中盤以降になるとチーム間で消化し た試合数の差が激しくなり、順位表を見ても、とても正しい順位を表しているとは思えな くなった。それで人によっては勝ち数制とは知りながら、順位表に併記された勝率で順位 を判断していた。また中にはゲーム差で順位を判断しようとした人がいた。ところがゲー ム差欄が空欄のところがあってゲーム差が分からない。その空欄のゲーム差を順位表のデ ータをもとに計算してみると(下の註)、なんと値がマイナスであった。つまりゲーム 差で評価すると、ゲーム差欄が空欄のチームは、その直ぐ上に書かれているチームに対し てゲーム差をつけて勝っていたのである。

(註)ゲーム差計算式:
     {Aチームの(勝ち数 - 敗け数)- Bチームの(勝ち数-敗け数)}÷2
・Aチームが2勝0敗、Bチームが2勝1敗(Bチームの方が試合数が多い)の場合
{(2-0)−(2-1)}÷2=0.5ゲーム
となり、ゲーム差上は「0.5ゲーム差をつけてAチームが上位」となる。
・Aチームが0勝1敗、Bチームの試合はまだ始まらない場合
{(0-1)−(0-0)}÷2=−0.5ゲーム
となり、ゲーム差上は「0.5ゲーム差をつけてBチームが上位」となる。


とにかくそういうことで2001年度のセリーグの順位表は極めて不評であった。このよ うな事態になったのは表示法に問題があったからであるが、まずこのような表示法が使え るのはシーズン終了後だけである。チームによって消化した試合数が異なるシーズン中は 、勝ち数を試合数で割って1試合当りの勝ち数で順位を評価しなければならない。勝ち数 を試合数で割ったものとは、とりもなおさず勝率である。ただし、ここでいう勝率とは3 式で計算した勝率ではない。
勝率=勝ち数/(試合数−引分け数)・・・(3)
勝率=勝ち数/試合数 であるから1式(5式)である。
勝率=勝ち数/試合数・・・(1)
勝率=(勝ち数+0×引き分け数)/試合数・・・(5)
さて、シーズン途中の順位は1式で評価しなければならないと 言ったが、1式とシーズン終了後の勝ち数順位との関係はどうなのか。1シーズン140 試合として、シーズン終了後の1式は、どのチームも次のようになる。
勝率=勝ち数/140
そしてこの式の両辺を勝ち数で割ると、
勝率/勝ち数=1/140
となる。ところで勝率と勝ち数が比例する条件は、勝率/勝ち数が一定の値になることで あると以前述べたが、この式を見ると確かに 1/140 は一定の値である。そこで勝 率と勝ち数が比例することが分かった。ということは、シーズン終了後は勝ち数で順位を 評価しても、1式で順位を評価しても順位は変らない。ということは勝ち数順位評価に1 式が使えるということである。ということで1式で順位を評価し、順位表を作ればよかっ たのである。ところがとんでもない。2001年度の順位ルールは勝ち数順位と勝率順位 を併用するとしたから、ファンやマスコミは何となく納得したのであって、2つの勝率順 位を併用するとして、上の1)のような説明をしたらファンやマスコミが混乱することは 必至であり、収拾がつかなくなったろう。2001年度のセリーグルールとは、なんとも やっかいなルールだったのである。

4)勝率制か勝ち数制か
 それでは勝ち数制1本に絞ればよかったのか。しかし勝率制と勝ち数制はどちらもまと もなルールとは言いがたいが、どちらかと言えば勝率制のほうが「まし」なルールなので ある。勝率制と勝ち数制の違いは、引分け=勝率か、引分け=負けかの違いである。そし て引分けの正しい評価は0.5勝である。それでは勝率と負けでどちらが0.5勝に近い か。勝率は現実的にはほぼ0.3〜0.7の範囲内にあるから、引分けはほぼ0.3勝〜 0.7勝の間となる。一方負けの場合は常に0勝である。ということは「引分け=負け」 より「引分け=勝率」の方が「引分け=0.5勝」に近いのである。このことが3式を用 いても現実的にはめったに問題が起きない理由であろう。
勝率=勝ち数/(試合数−引分け数)・・・(3)
どうも勝率制ならまだしも勝ち数制1本に絞るのは分が悪そうである。

5)2001年度に勝ち数制が採用されたのは「勝率順位か、勝ち数順位か」が以前議論 になったことが背景にあるものと思われる。それで或るチームが勝率順位制から勝ち数順 位制への変更を企てた(?)。しかし、勝率派の反対に遭い妥協の産物としてあのように 複雑怪奇な併用制になったものと筆者は勘ぐっている。本来なら「勝率順位か、勝ち数順 位か」の問題が発生したときに、なぜこのような問題が起きたのかと、3式の勝率計算式 を疑うべきであった。
勝率=勝ち数/(試合数−引分け数)・・・(3)
「一番勝った」チーム(ちょっと変な表現だが)が優勝するのが当たり前であるが、その 「一番勝った」チームを見つけ出せないような勝率計算式は、式自体まともな式ではない のである。勝率計算式になんら疑問を持たず、欠陥ルール同士の勝率制と勝ち数制間でい ずれを採用するかとやったから、双方ともに説得力のあるはずがなく、併用制という複雑 怪奇なルールにならざるを得なかったものと思われる。2001年度のルール協議におい ては、引き分け=0.5勝の考え方は早々に排除され、かわって引き分け=負けと引き分 け=勝率が採用されたようだが、是非その辺の経緯を知りたいものである。